寄り道

心身の健康は一種のエネルギー問題

汐音屋 山崎ちひろ

今の私たちの暮らしは本当に忙しすぎる、と思いませんか。

すこし前、こんなにたくさんの情報を扱うことも、
最低限の生計のために私生活が壊れるまで働くことも、
心満たすために欲しいと思う(思わされる)モノやコトも、
ネットを介して他人の一挙手一投足やさまざまな思惑が目に入ることも、
今ほど多くはありませんでした。

人生の満足度に実はまったく関係ないこと、
余計なものにエネルギーを無駄遣いして
からだと心をすこやかに保つためのエネルギーが足りなくなっている。
それが現状です。

心身を動かすためにはエネルギーが必要で、
そのために食事をし、呼吸をし、からだを動かすことが必要。
消費エネルギーが多ければ多いほど
それだけたくさんの食べ物やメンテナンスが必要となりますが、
使う先を自分にとってなるべく大切なものに絞ることができれば
それほどたくさんのものを必要とはしないしゴミも少なく済みます。

そもそも、からだが受け入れこころが対処できる以上のものを欲し
取りこんで動けなくなっている人も多いのが現状です。
社会自体が多くを欲するように仕向けてきた時代が長く続いてきたともいえます。

でも今からは
からだとこころを保つためのエネルギーも、
大量生産、大量消費の時代から大胆なシフトチェンジが必要
です。

食べ過ぎをダイエットで落とすのようなことはしなくていい。
いのちをすこやかに保ちささやかな楽しみとなる以上の食べ物を生産し、
その流通や消費にエネルギーやコストをかけ、
からだに取りこんでは出しながら
余分についた贅肉を落とすための情報、サプリ、運動に
さらに時間とお金とエネルギーを費やす。。。

でも、今からはそんな贅沢はできません。
じわじわと広がってきた気候変動による収穫高の低下や、
日本は長年にわたって衰えてきていた世界市場における購買競争力の低下に
コロナや世界情勢を発端とした
生産力の低下やモノの品薄、物流の停滞が追い打ちをかけ、
モノやエネルギーが高くなるだけでなく、
大枚をはたいても手に入らない、そんな時代がもうまもなくやってきます。

高価格でわずかに得たモノをどれだけ効率よくエネルギーに変え、
からだをすこやかに、こころをほがらかに保つために使うか。

その省エネで快く生きるためのヒントが
季節のリズムに応じた中医学のセルフケアに詰まっています。

夏はからだの熱を上手に逃がし、
冬はからだの熱を大事に守る。
これができたら冷房暖房の設定温度も変わりますし、
大きく体調を崩すことはなくなります。

心身の健康は一種のエネルギー問題。
そう覚えていてくださいね。

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